10月11日(木) 一時離脱6日目

パリ生活も、実質今日で終わりになります。
寂しいようなホッとしたような複雑な気分。
いえ、普通は寂しいばかりなのですが、パリの場合はデカすぎてなんだかうまく遊べなかった感が強いです。リベンジも考えてないので、自分とは肌が合わないのかもしれません。

当初は「ルーブルに1日いる。」という計画でしたが、計画を練り直し「サヴォア邸」の見学一本に絞ることにしました。

朝は普通に起きてゆっくり目の朝食。ホテルの朝食は8.6ユーロ。およそ1000円です。内容はパン、ジュース、コーヒー、それからヨーグルトくらいで、最初は「割高だなあ」と感じていましたが、街ではクロワッサンが1.5ユーロくらい。コーヒーも2ユーロ近くかかります。コーヒー2杯飲んでクロワッサン2個食べて、ジュース2杯飲んで、ヨーグルトに手を出すと、軽く10ユーロ超えてしまいます。
結果的にホテルの朝食は、安かったのです。(ありがとう!!)

列車は2階建が多い。もちろん2階がいい!

サヴォア邸は、パリの郊外にあるポワシーという街にあります。ポワシーまでは片道30分くらい。それほど遠くないお手頃の距離にあります。
電車でポワシー駅に着いたら、15分くらい歩くとサヴォア邸。でも、ちょっと寄り道してセーヌ河畔から公園を抜けて歩くことにします。
川の雰囲気もいいし、公園も落ち着きます。わざわざパリに来て公園の散歩をするなんて、一番の贅沢かもしれません。

途中、「エミール・ゾラ通り」というのもありました。ゾラと何か縁がありそうですが、そもそもゾラの本を読んだこともない私には知る由もありません。

ポワシーの街並み。
運河が素敵です。画家さんがお絵かきしてました。
途中、素敵な家を発見。よく見ると・・・。
エミールゾラって書いてある。
広い公園を通過。
やっと到着。でも、入っていいの?

サヴォア邸は、あのコルビジュエの傑作のひとつです。コルビジュエは、西洋美術館を設計した人で、彼の建築群が世界遺産にもなっているのです。建築マニアとしては、これをはずす手はありません。(いつから建築マニアになったんだ!)
公園を抜けて、ちょっとだけ市街の道路を歩くと、目指すサヴォア邸はすぐに見つかります。入り口はやや質素で、「ここでいいの?捕まったりしない?」と思わせる狭さですが、中に入ると芝生の中に白い邸宅が見えてきます。
写真ではよく知っている外観も、生で見ると感動します。(実は昨日のヴェルサイユより感動しました。)直線を生かした無駄のないデザインと、屋内と屋外の境界もあいまいな構成と、何より空間の美しさ。ここに住みたいと思わせる設計です。これから家を建てる人は、ぜひ参考にして下さい。

スポンサードリンク
シンプルな外観。宙に浮いてるようなイメージなんだって。
この幾何学的なライン、たまりません。
ダイナミックなスロープを中央に配置。
リビングは、大きく窓が開く構造(写真の右側だけね。)
室内もシンプルそのものだけど、窓下の細いカウンターも機能的。
2階のデッキ。リビングとの連続性が開放感を生む。
屋上のデッキ。ちょっとしたテーブルがうれしい。

サヴォア邸について語るときりがないのでやめにしておきます。いくら言葉で説明しても、実際に見ないとその良さは伝わりませんから、悪しからず。(と言いながら文章を書いてHPを作っている矛盾。)

ポワシーの街は、サヴォア邸以外にも見所が数カ所あり、散策コースも設定されています。「パリは4回目。そろそろ見るところもないなあ。」くらいの人にオススメです。「パリ行ったんだけど、ポワシーのサヴォア邸見て、その街の公園でゆっくり散策して一日過ごして来たよ。」これって、シャンゼリゼやブランド買い物ツアーよりクールだと思うのは、私だけ?

さあ、駅に戻ろう。

ポワシーからパリに戻り、ホテルに帰って来たのが午後3時すぎ、これで一日が終わるのもなんだか悔しいので、(このへんが、クールでないところ。)思い切ってエッフェル塔に行ってみることに。
すでに地下鉄はお手のもの。モンパルナス経由でエッフェル塔最寄りの駅へ。そこから歩くこと10分でエッフェル塔。構内(塔の真下)に入るのに、またもやセキュリティチェックのため15分待ち。ここまでは順調。
しかし、世界のエッフェル塔は甘くありませんでした。等に登る人のほとんどが、時間指定のネット予約をしています。予約なしの列は、かなりの長さですがほとんど動く気配はありません。この時点で登るのは断念。塔の下のベンチで読書をして過ごすことにしました。(ある意味これもクールかな?)1時間くらいベンチに居座り、長年の課題だった本を最後まで読みきったので、エッフェル塔は、その本とセットの思い出になりました。

エッフェル塔をしたから臨む。色がおしゃれね。
エレベーター、斜めに登るのですね。

なんの本かって?
「ユリシーズ」ですよ。ジョイスの。
ここまで何回か登場してきた本です。
ここまで大変でした。
(ユリシーズにつては、いずれ特集で書きます。)

なんだかんだ言って、今日はパリ最後の夜。
初めてまともにレストランで夕食を摂りました。
(食い道楽でもないので、普通はサンドイッチで十分なのです。)
読めないメニューに四苦八苦し、隣の客も動員しながら注文し、
子牛の骨つき肉のグリルをいただきました。
たいへん美味しゅうございました。
ビールとワインの酔いも手伝い、気持ちの良い夜です。

かなり分厚いお肉。るん!
スポンサードリンク